国際ビジネス

海外調査

現在、東南アジアなどの新興国においては、急激な経済成長に伴いインフラが不足し、水・環境問題が顕在化しており、その課題解決に向けて日本などからの技術貢献が求められています。
クリアウォーターOSAKA株式会社では、浸水対策や管渠の資産管理のほか、水処理と工場排水規制の両面からアプローチできる水環境改善、汚泥の有効利用など、保有する下水道にかかるトータルな技術ノウハウを活かした新たな挑戦として、他社(コンサルタント・メーカー)や大阪市などと連携しながら積極的に海外事業調査を実施し、現地への積極的な提案も行っています。

◇クリアウォーターOSAKA株式会社が保有するトータルな下水道技術ノウハウ

●クリアウォーターOSAKA株式会社の海外重点活動地域

現在、経済成長が著しい東南アジアASEAN地域のうち、ベトナム国ホーチミン市とミャンマー国ヤンゴン市において重点的に調査活動を行っており、現地下水道担当部局との連携強化を図っています。

ベトナム国ホーチミン市での取組み

ベトナム国ホーチミン市は、人口約780万人のベトナム最大の商業都市です。サイゴン川流域の平地に市街地が拡がっており、浸水対策や水環境改善が急務の課題となっています。平成23年度に浸水対策分野の調査に参画して以降、ホーチミン市での調査活動を継続的に進めています。

◇ベトナム国・ホーチミン市

●ベトナム国における本邦下水汚泥処理技術普及方策検討業務(株式会社日水コンと連携)

2013年度に、国土交通省の調査事業の採択を受け、下水処理場の増加に伴って発生汚泥量の増大が見込まれるホーチミン市を対象として現地調査を行い、 現地ニーズの把握や本邦下水汚泥処理技術の適用可能性などについて調査検討を行いました。

  1. 現地の状況、ニーズ等の確認
  2. ベトナムに導入が見込まれる本邦下水汚泥処理技術の調査
  3. 本邦下水汚泥処理技術の導入可能性検討
  4. 本邦下水汚泥処理技術普及方策の検討

●非開削下水道管路更生工法に関する国際展開促進検討業務(株式会社日水コンと連携)

2015年度に、国土交通省の調査事業の採択を受け、非開削下水道管路更生工法の普及候補地を検討し、老朽化管更新の必要性が増加すると 普及が見込まれる国・地域の現状とニーズを確認し、現地に適用可能な工法を整理した上で、今後の本邦下水道技術の普及方策の検討を行いました。

  1. 非開削下水道管路更生工法の普及候補地の検討
  2. 現地状況、現地ニーズ等の確認
  3. 現地に適用可能な非開削下水道管路更生工法の検討
  4. 非開削下水道管路更生工法の普及方策の検討

●非開削下水道管路更生工法普及促進事業(積水化学工業株式会社と連携)

2015年度に、JICAから民間技術普及促進事業に係る業務委託を受託し、ホーチミン市にて本邦下水道管路更新技術のモデル施工を実施することにより、本邦技術の有用性について、ホーチミン市関係者の認知度を向上させつつ、将来の技術基準・積算基準の策定に向けた検討を行いました。

  1. モデル施工に向けた事前準備
  2. モデル施工の実施
  3. 技術セミナーの開催

ホーチミン市における都市排水管理技術向上プロジェクト(JICA草の根技術協力事業)

2013年度から2015年度にかけて大阪市建設局と連携し、国際協力機構(JICA)の草の根技術協力事業(地域提案型)として「ホーチミン市における都市排水管理技術向上プロジェクト」を実施しました。
JICA草の根技術協力事業(地域提案型)は、日本の各地の地域がもつ知識や経験を活かした事業を実施することにより、開発途上地域の経済及び社会の発展に貢献することを目的としており、開発地上国から日本の地域社会への人材の受け入れや、現地における技術指導を組み合わせた協力を行う事業です。
「ホーチミン市における都市排水管理技術向上プロジェクト」では、排水管渠の老朽化の課題に直面しているホーチミン市下水道管理者、公社を対象に、2015年度までの事業スケジュールで点検、清掃、修繕等の下水道管渠等の維持管理、作業時の安全管理等に関する細やかなノウハウについて技術協力を行いました。

●本プロジェクトの目的

  • 第1回現地活動(専門家派遣)(2013年7月22日~7月25日)・第2回現地活動(専門家派遣)(2013年10月15日~10月18日)
  • 第3回現地活動(専門家派遣)(2014年2月17日~2月21日)・第1回本邦研修(研修員受入)(2014年5月25日~6月4日)
  • 第4回現地活動(専門家派遣)(2014年10月12日~10月17日)・第5回現地活動(専門家派遣)(2015年1月11日~1月17日)
  • 第2回本邦研修(研修員受入)(2015年3月2日~3月7日)・第6回現地活動(専門家派遣)(2015年8月2日~8月7日)
  • 第7回現地活動(専門家派遣)(2015年11月1日~11月7日)・第8回現地活動(専門家派遣)(2016年1月18日~1月23日)
  • 第9回現地活動(専門家派遣)(2016年3月2日~3月3日)

ミャンマー国ヤンゴン市での取組み

ミャンマーは、軍事政権の下でインフラ整備が遅れていましたが、民政化への移行により、海外投資環境が整ってきています。豊富な資源と6400万人の人口を抱える潜在的な成長力が期待され、今後は、水をはじめ社会インフラ開発の急速な進展が見込まれています。

◇ミャンマー国・ヤンゴン市

●ミャンマー国下水道整備計画策定業務(株式会社日水コンと連携)

2012年度に、国土交通省の調査業務の採択を受け、ミャンマーのヤンゴン市で下水道に関する調査を行いました。ヤンゴン市における雨水排水及び、下水道施設の現状、今後の施設整備や維持管理に係る課題を調査し解決策の検討を行いました。

ヤンゴン市下水道管渠維持管理・修復能力改善事業(JICA草の根技術協力事業)

2014年度から2016年度にかけて積水化学工業・大阪市建設局と連携し、国際協力機構(JICA)の草の根技術協力事業(地域経済活性化特別枠)として「ミャンマー国ヤンゴン市下水道管渠維持管理・修復能力改善事業」を実施しました。
大阪市とヤンゴン市との間では、2014年9月25日に都市インフラ分野での技術協力に係る覚書が締結されています。「ヤンゴン市下水道管渠維持管理・修復能力改善事業」では、ヤンゴン市の下水道施設を管理するヤンゴン市都市開発委員会(YCDC)を対象に、2016年度までの事業スケジュールで清掃、点検、修繕等の下水道管渠等の維持管理や下水道管渠の情報管理に関するノウハウについて技術協力を行いました。

●本プロジェクトの目的

  1. 下水道管渠の維持管理技術の向上
  2. 維持管理に係る計画立案能力の向上
  3. 下水道管渠施設情報の可視化⇒下水管渠の適切かつ効率的な保全管理を図り、市民生活の安全性や快適性の向上に繋げる

●本プロジェクトの経過

  • 第1回現地活動(専門家派遣)(2015年1月25日~1月31日)・第1回本邦研修(研修員受入)(2015年6月21日~6月28日)
  • 第2回現地活動(専門家派遣)(2015年11月22日~11月28日)・第3回現地活動(専門家派遣)(2016年2月14日~2月20日)
  • 第4回現地活動(専門家派遣)(2016年11月27日~12月5日)

※2017年4月1日付、一般財団法人都市技術センターが行っていた上記の海外展開事業は、クリアウォーターOSAKA株式会社に事業譲渡されました。

ミャンマー国ヤンゴン市での下水道に関する啓発活動

下水道の普及促進には、市民に下水道の効果を理解して貰う必要があります。
そこで、クリアウォーターOSAKA株式会社は下水道事業が本格化するヤンゴン市において、ヤンゴン市下水道部局等と連携して日本・ミャンマーの文化交流イベントであるPweTaw2018(2018.2 ヤンゴンで開催)を活用した啓発活動を実施※しました。
この活動では、楽しみながら下水道を学ぶことが出来るように下水道のアニメを放映したほか、ポスターや下水処理水の展示・下水道に係る簡易なアンケートなどを実施し、下水道の役割や必要性をアピールしました。
※国土交通省事業「スリランカ共和国等を対象とした下水道事業の理解促進・本邦普及方策に係る調査検討業務(株式会社日水コンと共同受注)」の一環として実施